多汗症と治療~
多汗症の現代
●方言からも分かる多汗症の足跡
多汗症マンガでは、手汗が多い人のことを指す方言や、業界用語をご紹介しました。このような言葉があることからも、やはり昔から、一定数多汗症の方がいたのであろうと考えられます。
手掌多汗症(手のひらの多汗症)を指す言葉があることから分かるように、多汗症は、汗かきとは少し性質が異なります。
気温が上がった、感情が高ぶるなど、ちょっとしたことがきっかけで症状が出てしまい、症状が出ているときは、手のひらが常に濡れた状態になるため、幼少期から日常生活に不具合をきたします。
もしかしたら、現在よりも、人と人との距離感が近い昔の方が、多汗症に気がつきやすかったのかもしれませんね。
●現代の治療法(健康保険の適用編)2022年5月
多汗症にはいくつかの治療法が存在しています。多汗症の症状で学業・日常生活に不具合をきたすことが認められ、平成8年4月からは、健康保険が適用される治療もできるようになりました。
今回は健康保険が適用される治療法について紹介します♪
1.イオントフォレーシス(手足の多汗症が適応)軽症~中等症の多汗症に有効
手のひらや足裏を水道水の入った容器の中に浸し、微弱な電流を10~20分間程度流す方法です。はじめは連日、汗の量が減ってきたら数日間毎に繰り返します。
軽症から中等症の多汗症までの方に有効とされています。根本的治療ではないため、継続的に通院をして、治療を続ける必要があります。
2.内服治療
・抗コリン薬
抗コリン薬は、アセチルコリン(神経細胞間の情報伝達を担う物質)の働きをおさえて発汗を抑制します。抗コリン薬の中で、保険適応があるのは臭化プロバンテリン(プロバンサイン)です。効果は人によって異なり、口の渇きや眠気などの副作用があります。
・漢方薬
防已黄耆湯などがよく使用されます。防已黄耆湯は、体の水分代謝を整える生薬が入っています。
3.塗り薬(原発性腋窩多汗症が対象)
外用薬にはソフピロニウム臭化物(エクロック)があります。多汗症の外用薬としては国内で初めて薬事承認されました。1日1回、継続的に脇の下に塗ることで発汗を抑えられます。従来の治療法より副作用が少ないと言われています。
効果や副作用も人それぞれのようです。
医薬品ではなく、市販品にも汗関連グッズは色々あります。最近話題の汗切丸もその一つです。ぜひ色々な方法をご検討くださいませ♪
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