


手掌多汗症と裁縫~
夏が近くなってきましたね
●手掌多汗症と素手
多汗症マンガには、裁縫で針を引っ張ろうとするも、手汗でつるんと滑ってしまった手掌多汗症(てのひらの多汗症)の方が描かれています。

手のひらの多汗症の方は、症状が出ている際は、汗で道具を使うのが難しくなることが多々あります。
症状が出るタイミングは人それぞれですが、やはり夏の方が発汗量が増える人が多いようです。これから暑くなりますが、頑張って乗り切っていきましょう!
●汗と汗腺と多汗症
今回は、そもそも汗とは何かということや、汗腺について書いていきたいと思います♪

・そもそも汗って何?

汗とは、一言で言うと、薄い「電解質(イオン)」です。水に溶けると電気を通すのが特徴です。
【汗に含まれる主な成分】
- 塩化ナトリウム(NaC1)
- カリウム(K)
- 重炭酸塩(HCO3)
その他にも色々な無機化合物を含んでいます。
汗の最も重要な役割は体温の調節機能です。気温の上昇やスポーツ、カゼの発熱などで体温が高くなった時、発汗することで、汗を蒸発させ、体温を下げます。
・汗腺
汗は「汗腺」から出ます。汗腺には3種類あると言われています。

- エクリン汗腺:主な汗腺で、全身にあります。多汗症の汗はエクリン汗腺から出ます。
- アポクリン汗腺:脇の下など毛が多い部分にあります。腋臭の原因の汗はここから出ます。
- アポエクリン汗腺:アポクリン汗腺がある部位と同じ所にあります。エクリン汗腺の汗と同じ汗を出します。
ほとんどの汗は「エクリン汗腺」という汗腺から出されます。主に体温調節のための汗を出す汗腺で、分泌される汗は無味無臭です。エクリン汗腺は全身に分布しています。
・エクリン汗腺の数と多汗症

エクリン汗腺は、部位によって数が異なります。
特定の部位で多汗症の症状が出る「局所性多汗症」は、エクリン汗腺が多く存在する手のひらや、足の裏、脇で症状が出ることが多いですが、意外なことに、汗腺の数や分布、大きさ、形に関しては、一般の人とは変わりません。
【エクリン汗腺の分布】
- 背中:64/ cm2
- 前腕:108 / cm 2
- 額:181 / cm 2
- 手のひらと足の裏:600〜700 / cm 2
参考:National Library Medicine:Biology of sweat glands and their disorders.
●まとめ
汗や汗腺のことを多汗症に絡めて紹介させていただきました♪
汗や汗腺にも種類があったり、場所があったり等、色々あるんですね♪